「令和の米騒動」とまで言われた令和6年。
米には飯米と言われる食用のお米と加工米、飼料米があります。
「酒米」はお酒専用の米です。
飯米は昨年に比べ大体1.9倍くらいまで上がっています。
酒造好適米も今年の道内は1・67倍の値上げとなっています。
温暖化による、高温障害、線状降水帯による大雨、洪水と日本中が病んでいる地球にやられています。
酒の価格は今年は値上げラッシュ必至です。
生々しいお話ですが清酒のざっくりとした原価についてお話ししましょう。
例として「3,000円(税込)」の一升瓶の日本酒があるとしましょう。
蔵からは35%引きの1,950円。
卸価格は25%引きの2,250円。
蔵元は特約店に直送すると返品もなく利益が増えます。
蔵元は1,950円から酒税と消費税を支払うので売価の50%の1,500円が大体の利益です。
ここから瓶代、お米代や製造過程での費用を差し引くと純利益が出ます。
一番コストがかかるのが「コメ代」と「瓶代」です。
そうすると蔵元に残る純利益は18%前後の約500円前後となります。
蔵元はこの利益から人件費、販売促進のためにイベントに参加したり、試飲会をしたり協賛をしたりするのです。
意外と販促のため出張費などはホテルの高騰などで懐事情はかなり厳しいのが現状です。
本当に心から応援したい蔵元を呼ぶ場合には「協賛」ではなく「買取」で呼びましょう。
今年は原材料の酒米が道内で約1.7倍となり値上げをしないと蔵が成り立たないのです。
果たしてどのくらいの値上げ幅になるか・・・
蔵の規模にもよりますが一升瓶で5%~20%は確実に上がるでしょう。
値段にすると150円~600円。小さい蔵でしたら値上げ幅は大きくなる傾向です。
真ん中の価格で予想しても200円~300円は固いです。
世界的にみると醸造酒としては手間がかかる割に安いといわれてきた日本酒。
多少高くなっても米農家や日本酒文化を守ることにもつながります。
これからの出来栄えに期待しましょう。
そして飲んで,買って応援しましょう!
日本酒学講師 鎌田孝